「今しかない」が苦手な自分と、「今しかない」を大事にする姉

河津桜 エッセイ

昨日は、仕事のあと、姉と河津桜を見に行った。

姉は「今しかない!」と言うタイプの人だ。

「今しかない!昨日もう満開って書いてあった!今行かなきゃ!」

と、朝からそわそわしているので、

日が暮れる前に急いで店を片付けて、

車で出発することにした。

……とはいえ、もちろん。

試作で作ったチョコレートクッキーを紙に包んで持っていくのは忘れない。

少し厚焼きの試作クッキー。今回のは、外はカリカリで中がしっとりめ。

(最近アメリカのベーカリーで売られているようなクッキーが無性に食べたくて

家でも店でも試作している。)

姉はずっとテンションが高くて、

なにかしら楽しそうに話している。

私たちはクッキーをかじりながら、

桜の並木をのんびり歩いた。

私はときどき写真を撮ったり、

桜の木の上にとまった鳥を眺めたり、

嬉しそうな姉の後ろ姿を見たりしていた。

実は私は、

桜とか花火とか、

「今しか見られないもの」がちょっと苦手だ。

間に合うかな、とか

場所取りしなきゃ、とか

並ばなきゃ、とか。

そういう「急がなきゃ」の空気に、

どうしても心がそわそわしてしまう。

桜がきれいなのも知っているし、好きだ。

でも、自分ひとりだったら、わざわざ花見に行くことはあまりない。

たまたま通りかかって、

「あ、きれいに咲いてるなぁ」

と思うくらいがちょうどいい。

もしその年、ちゃんと桜を見ないまま終わったとしても、

それはそれで、そんな年があっても平気だ。

だから、

「先着◯名」とか

「今だけ!」みたいなものは、ちょっと苦手。

でも。一緒にいる人が

「桜を見に行きたい!」とか

「これに並びたい!」とか言うなら、

全然一緒に並べるし、むしろ叶えてあげたいなとも思う。

実際に行ってみると、

クッキーをかじりながら見上げた桜はやっぱりきれいで

ああ、綺麗に咲いたんだなぁ、よかったなぁ

と思った。

きっと私はこれからも、

「今しかない」に少し戸惑いながら生きていく。

自分とは違う考えを持つ人の近くで。

自分のペースって大事だ。

だけど時に人のペースに乗っかることも悪くない。

昨日は、

そのおかげで桜を見ることができた。

そして

外で食べたクッキーは、一段と美味しかった。

おまけ

おかーさんの上でテレビを見るふわふわとろとろのぼく。

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