近頃本当に涼しい。
夏が終わって初めて、半袖ではなく長袖を引っ張り出した。
今日は、少し”体について”のお話をしようと思う。
体質の変化
今日初めて長袖を着た と言うと、
『えっ?遅くない?』と思われそうだが、
仕事は厨房だし、生半可な気温の変化では、
全然涼しいという部類に入らない。むしろ10月に入ってもまだ暑かったくらいだ。
本来はあまり暑がりではないし、代謝もよくない方で、
汗をかき始めるタイミングも人より遅かった。
もう姉と10年ほど仕事をしているが、
毎年姉は春から冬まで
「暑い暑い。こんなに暑いの私だけ?」
と言っていたりするが、
私は夏でも暑いとは言うものの、そんなに汗をかかなかった。
そして冬は
「寒い寒い」
と言っている。
しかし、今年の夏前ごろから、身体の変化を感じている。
汗をたくさんかくようになった。特に首や顔。
とにかく代謝がいい。
一体どうなっているんだ私の身体は。
更年期・・・?というには少し違う感じがするし、
思い当たることを考えてみた。
そして一つの解答に行き着いた。
毎日の湯船で、体が変わった話
昔は“シャワーだけの日”も多かったけれど、
あるときから「毎日ちゃんと湯船につかろう」と決めて一年。
最初の数週間は「気持ちいいな〜」くらいだったのが、
気づけば、汗をかきやすくなって、代謝が上がった実感が出てきた。
体がポカポカして、寝つきもよくなった。
お風呂を“ただの習慣”にしていた頃とは、なんか違う感じ。
お風呂の中でじわじわと汗をかくのは気持ちが良いものだなと気づいた。
とは言っても長風呂は苦手なので、温度は40度程度。
そして、スマホを持ち込んで音楽を流したり、
時にYouTubeを一本つけて見たりと、
自分なりに、ゆっくりと浸かるための工夫をしてみた。
1年間の「湯船習慣」で起こったリアルな変化
・汗をかきやすくなった
・手足の冷えが減った
・むくみにくくなった
・寝起きのだるさが軽くなった
毎日10〜15分でも湯船につかることで、
「体の中のめぐり」が整っていくのを感じた。
特別な運動をしていなくても、
体そのものが“あたたまりやすいモード”になった気がする。
毎日湯船に入ろうと思ったきっかけ
先に述べたように、本来私はあまり汗もかかず、冬は冷えやすい。
しかも血行も悪いので顔色や口の血色も悪くなる。
そして、美容院で必ず言われることは、
「肩と首と頭、ガッチガチっすよ!!」
だ。
それすら自覚もなかったのだが、誰かが「1%の力で揉んでます。」
と私の肩付近を触ろうもんならめちゃくちゃ痛い。
なんならすこし吐き気すらもよおす痛さだ。
そのくらい自分のこりには鈍感だった。
ある時、事件は起きた
しかし、ちょうど1年ほど前、肩から首にかけての痛みと、
延々と続く頭痛に悩まされた。
一晩ふたばん休んだりしたってどうにもならない。
いつもの片頭痛とも何か違う。
痛みがどうにもこうにも治らず、首を動かすのもキツくなってきた。
「マッサージへいってみたら?」
とか言われたりするのだけれど、わたしはマッサージにはいったことがない。
ものすごーいリラクゼーションを味わうのは悪くはない。
むしろ、すごく気持ちいいのだろう。
誰かに施術をしてもらうという事はとても心地の良いもので、
とってもいいものだとは理解できるのだけれど、
根本の解決をしなければ治らない
と身体が何か訴えている気がしたのだ。
凝っている時には、じっとしてやすんでいるよりも体を動かしてほぐすほうが効果的、というか、
そのほうが体が喜ぶような気がしていて、積極的にウォーキングをしていた。
だけど、
仕事も年々忙しくなるし(ありがたいことです)
調理台はとっても低いし(背も高いもんで)
そんでもって歳もとるわけでして、
ウォーキングではどうにも抑えきれない状態になっていて、
というか痛すぎて体を動かす気力も湧かないような状態になっていて、
ロキソニンも効かず、毎日痛みに耐えながら仕事をしていた。
病院を受診する
いよいよ仕事にも出られない状態にまで至り、
それを母に話したところ、
「首が痛くて頭痛だなんて、もしかしたら脳の病気なんじゃないか?!」
と心配し、早々に脳神経外科の予約をとってくれた。(母は病院勤務)
そんなわけないよと思ったが、もう痛すぎて藁にもすがる思いだったので、
逆らう気も起きず、素直にいうことを聞くことにした。
予約当日、CTをとったり問診したりしたけど特に問題は見つからず、
「まあ、コリと冷えでしょうねえ。」
そんな、『ヒエとアワ』みたいな響きでいわれても・・・!とポカンとしていると、
「とにかくあっためなさいよ、首。あとね、運動しなさいね。あのね、頭も首も肩もガッチガチよ。あなた」
と、温湿布と、神経のお薬を出されたのだった。
コリなのはわかったけど、なんでこのタイミングでこんな感じになったのか、
いまいち理解はできていなかった。
しばらく出された薬を飲んで、ウォーキングに勤しんだ。
温湿布は首が一回でかぶれてしまったのでやめた。
薬を飲んで痛みを一時的にブロックしているだけで、
根本の解決に至ってないというモヤモヤが、
実は頭の片隅にあった。
・・・そう。奴はまたやってくる。ゼッタイニ。
鍼灸院の先生との出会い
痛みが完全になくなったわけではないけれど、
仕事へ行けるくらいにまでは落ち着いてきたので、復帰することにした。
そして、忙しい日々に戻って程なくして、
奴がまたやってきた。
もう、痛みと、可動域がどんどん狭まる恐怖で、
次はどこだ、整形外科か、内科なのか、
もうどこに行っても治る気がしない。
もう一生このままかもしれない。私なんてこのままなんだ、ずっと
なんて悲観していたら、ふと姉が、
「月子、鍼は?」
といった。
お客様が昔、何かと体調を崩しがちな私に、
「本当にいい先生だから、もしもの時には行って見てください。私もそれで、だいぶ救われたの」
と教えてくれた、私たちのお店から少し歩いたところにある小さな鍼灸院だった。
姉が、「予約していい?もう、すぐにでも診てもらった方がいい」
と言って、
いつもなかなか病院に行きたがらない私だが、
「お願い。頼む。電話して。すぐにでも行く。」
と言ったくらい、限界だった。
幸い、すぐに診てくださるとのことで、急いで仕事を片付け、向かった。
鍼は初めての経験だった。
先生は電話の時から、優しく
「ゆっくりでいいからね。首をね、無理に動かさないでください。
ゆっくり、ゆっくり。安全にきてくださいね。」
と言ってくれた。
ついてからまず、
「辛かったでしょう。もう大丈夫。ちゃんと楽になるからね。」
と言って、症状、普段の生活などを丁寧にカウンセリングし、
触診をした。
「ここまでのコリはあまり診たことがないなあ。」
「え・・そんなのひどいですか?」
「ひどいねえ。どこもかしこも石みたいだよ。長年のパティシエ生活で培ってきたコリがどーーーんときちゃったって感じかな。
姿勢とかね、冷えとか、重いものを持ったりとかするでしょう。
あなたは背も高いし、負担がそのぶんかかりやすいんだよ。
首も長いから、冷えてしまっているしね。
時間がかかると思うけど、ちゃんと、痛みは取れるからね。」
と言って、施術をしてくれた。
結果は、効き目バッチリだった。
もみ返しのようのものがあったけれど、そんなのあいつに比べたらなんともない。
痛みは、何度か通って、見違えるように良くなった。
先生に感謝を伝えると、
「でも僕はね、神じゃないから。この鍼灸院を出てから患者さんがどう生活しているかまでは把握していない。僕がどんなに熱心に治療したとしても、また痛み出すこともあるからね。」
と言った。
そう。痛みの対処ならしてあげられる。来てくれたらいくらでも。
でも、その痛みを作り出している原因を知ること。そしてその習慣を自分で変える努力をすること。
それをしないと、また繰り返すのだ。何度でも。
「先生が言いたいのはそう言うことですよね」
というと、
「そういうことです。」
と言ってにっこり笑った。そして、
人間の体は、ちゃんと自分で治すという能力を持っているようなことを言っていた。
私は自分が頭と体で感じていた感覚と、先生のいいたいことがピッタリと重なった気がした。
それからというもの、あの痛みを味わうことは二度と避けたい思いと、
自分の体に問いかけ、体の声を、前よりも聞くようになった。
とにもかくにも温めることが本当に大事だというので、
それから真っ先に始めたのが、”湯船習慣”だった。
後編記事はコチラ⇩
おまけ

あきっていうかふゆのにおいがしますね

可愛い。



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