母からつながる記憶と、夫が受け継いだ我が家の唐揚げ物語

唐揚げを見つめる猫 ねこ

今日は唐揚げを食べよう。

と言っても我が家のお料理大臣は夫なので私の仕事はただただ美味しくいただくことである。

我が家の唐揚げ

夫は料理人なので、和、洋、中どれを作らせても美味しい。仕事でやっている人は家では作りたくないとよく耳にするけれど、夫は家で作ってみんなに食べてもらうのも好きである。

夫が帰りの遅い職場だった頃は、娘が小さかったこともあり、毎日私が作っていた。

一応私も調理師免許は持っているので別に不味いというわけではないと思うが、自分よりも美味しいものを作れる人がいるのでわざわざ腕を振るう気にならない。(・∀・)

それにもともとパティシエが本業なので、ご飯よりも自分のスイッチが入るのがお菓子なのだ。

仕事でたくさんの仕込みをしていても、夫と同じくプライベートだろうが仕事だろうが、いつでも何か作りたい気持ちがある。

「これ作ってみたいから作ってみるか。」と思う時もあるけれど、

「あ、これ食べたいなー」と思った時に作ることが多い。休みの日に朝起きて1分後に作り出すこともある。

どこまでも食べることが大好きなのだ。

とは言っても、食べてもひとつか二つで満足なので、あとは娘と夫のおやつに回るし、ラッピングしてプレゼントしたりする。

夫と違うところでいうと、私はリクエストされても気が向かなければ作れない。おやつも、ご飯も、自分がメニューを決めて作り出す。(特別な日などはリクエストに応じる)

だから

「〇〇が食べたいな」

というと、必ずリクエストに答えてくれる夫はすごいとおもう。

そんな夫だが、元々は今の唐揚げとは味付けが違った。昔は、ニンニクの効いた味付けだった。

夫のお母さんも料理が得意で、人に振る舞うのが好きで、私も何度かご馳走になったこたがある。

とても美味しい。きっと夫の唐揚げのルーツはそこなのだ。

だが実は、私は唐揚げの味付けには少しこだわりを持っていた。

こだわりというか、

『この味が一番好き』

という味があった。もちろんそれぞれがとても美味しいし、唐揚げという食べ物が人類の築いた奇跡だとも思っている。

それくらいに唐揚げ全般を愛している。

だけど、私が愛してやまない味付けは、母の唐揚げの味だった。

母は鶏肉が食べられない。

幼い時に、祖母の実家で雇われていたコックさんが、庭で飼っていたにわとりを絞めるところを見てしまったらしい。

その日は母のお誕生会だった。

テーブルに並べられた料理を、母は口にすることができなかった。

それ以来、鶏肉は一切食べられないそうだ。

幼い子にはショッキングな出来事だったに違いない。

なので我が家の食卓に鶏肉の料理が並ぶことはあまりなかったように思う。

それでも、それじゃあ子供が可哀想だと思ったのか、

母は運動会の日は唐揚げを作ってくれていたのだ。

自分で味見することもできないし、なんなら料理がそんなに得意ではなかった母があげてくれた唐揚げは、

どこで食べる唐揚げよりも美味しかった。

「どうやって味付けしていたの?」

と、家を出て自分で暮らすようになってから聞いたことがあったが、

「え〜。忘れちゃったあ。」

と返されてしまった。

私はどうしても母の唐揚げがもう一度食べたくて、それを自分の娘や夫にも食べさせたくて、

記憶を振り絞ってレシピを開発した。(お菓子のようにきちっとしたものではない。)

唐揚げのレシピ

・しょうゆ

・酒

・みりん

・にんにく

・しょうが

・さとう

量はアバウトなので決まった数値はないが、自分は味見をしながら調整していた。

フォークで穴を開けた鶏肉さんをこれで漬け込む。一晩くらいが望ましい。

あとは少し液体を切りながら片栗粉をまぶして揚げる。

160℃で上げてから取り出し、余熱で何分か火を通してから、最後は180℃の油で40秒くらい2度揚げすると、カラッと上がる。

そう。見ての通り、少し糖分が入るのだ。甘いのは苦手、と思う方もいるかもしれない。

でも一度騙されたと思ってそれらの材料でいい塩梅の味付けで作って見てほしい。

出来上がった唐揚げは、夫も娘も気に入ってくれた。

それ以来、我が家の唐揚げは、母の唐揚げの味になった。

ここ数年は、夫は砂糖の代わりに蜂蜜を使っている。

コクが出るのと、甘さがマイルドになるのだそうだ。さすがだ。

夫の腕前で、何倍も美味しいものになっているに違いない。

ルーツは鶏肉の食べられない母の作った唐揚げというのがすこしおかしな話だが、

今日も大好きな唐揚げを食べられて、幸せだ。

おまけ

なんだこりゃ くんくん・・・

こりゃダメだ くさい臭い

くんくん

だめだめこんなの

も〜ぉ いやんなっちゃう

おやすみなさい(・∀・)

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